コラム

エビデンスはなぜ必要なのか


医療における「正しさ」の歴史

一言で言えばエビデンスとは、「最も正しい判断
をするために必要なものです。

ですが「最も正しい判断をする
、ということは人の健康に携わる人であれば、誰でも常に意識してきたはずです。そこで、エビデンスという考え方が登場する前の「正しさ」とは何だったのかを見てみましょう。
 
例えば、ほんの200年前までの医学における「正しさ」とは、聖書や古典に書いてあることでした。

「神さまが言ったとされているから・・・」とか、「ヒポクラテスの本に書いてあるから・・・」という具合に、「正しさ」を議論していたのです。
 
その後、人類が科学的な考え方を身につけ始めると、生物科学的なメカニズムが重視されるようになりました。解剖したり、顕微鏡で覗いたり、人体のメカニズムを理解した上で、その理屈に沿ったことを行えば「正しい」という考え方が徐々に生まれたのです。