セッション(2日目)
③健康経営は労働者の何を変えるのか
~人生100年を謳歌する「現役時代の健康づくり」~

セッション 1日目     2日目    

 

テーマ

健康経営は労働者の何を変えるのか
~人生100年を謳歌する「現役時代の健康づくり」~

コーディネーター

鈴木美和(新潟労働安全コンサルタント事務所)

サブコーディネーター

水越真代(エルイーシー/ヘルシーBox)

オブザーバー

岡部秀幸(日立キャピタルコミュニティ)
川端史紀(b{stoic)
西本真寛

内容

日本の働く世代の健康づくりは、「健康経営」という言葉とともに、「安全衛生法を守る」から「従業員の健康の維持・増進や人と人あるいは人と組織の信頼関係が、企業の生産性や収益性の向上につながり、それは企業成長の源泉である」という考え方にシフトしようとしています。 “人生100年時代”の中、人や組織の「つながり」の中で構築される“健康経営と組織づくり”の本質を、「対話」の中から探っていこうというセッションです。ぜひご参加ください。

レポート

セッションのメンバーは、健康学習学会ではおなじみの水越さんと鈴木が(開業保健師)、社長でもあり栄養士でもある川端さん、総務人事部長の岡部さん、研究者の西本さん、という多彩な顔ぶれが揃いました。

最初に集まった時はあまりにも多彩で戸惑いましたが、LINEでのディスカッションは本当に面白いものでした。例えば、健康経営の話の中で専門職の存在が出てこないのは何故か?なぜ保健師がCHOになれないのか?いろいろな企業におけるCHOの現状は?どうやって「健康(経営)」を企業に売り込んでいるのか?経営にwell-beingという思想と行動を根付かせていくのには何が必要か?海外の健康経営事情は?働き方が多様化する中でのこれからの健康経営についてどのような議論がされているのか(ウーバーの運転手の健康管理は誰が責任を持つのか)?などなど。

このようなディスカッションを通して、それぞれが異なるポジションから語ることで一つのテーマが様々な角度から浮かび上がってくるという面白さを感じました。そしてそれができるのがこのチームの強みであると確信しました。 ちなみに、このLINEでのやりとりが面白かったというのは、メンバー全員の感想です。とてもワクワクと驚きの連続でしたし、このLINEでのやりとりが私たちの結束を作ってくれたと思っています。

 

セッションは、シンポジウム形式で行いました。川端さん、岡部さん、西本さんから事例発表をしていただき、それをもとにディスカッションをしていきました。 川端さんは某企業で朝ヨガを実施した事例。企業に健康経営を仕掛ける立場であり、実施にあたりどのように企業にアプローチしているのか等も話をしてくださいました。 岡部さんは営業担当の取締役の立場で展開した事例を。トップダウンの力や、専門職が持っている知見と意識を企業という組織に浸透させるためのアクションプランの大切さを話してくださいました。経営的な視点での発言は非常に重みがありました。

西本さんは企業の健康経営を支援する外部専門家の立場として、CHO室の立ち上げを支援した事例を話してくださいました。トップへの訴求~立ち上げに向けての動き(上の説得と社員の巻き込みをどうするか)~立ち上げ後の動き(コンセプトの明文化、現状や経過の数値化など)、と、健康経営の推進手順に沿って理論も交えながら話をしてくださいました。 ディスカッションは、「何のために健康経営を推進したいのか」「推進するために必要なことは何か」「“生産性”の正体は何なのか」「企業側の理論としての健康経営に対して、働く人にとっての健康経営とは何なのか」「未来を視野に入れた健康経営のあり方は」、等について考えてみました。もっとじっくりと深堀して議論したかったという心残りはありますが、この続きはまたどこかで皆様とお話できたら嬉しいです。

 

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