セッション(2日目)
④多分野から考えるGood Life
~健康学習2.0~

セッション 1日目     2日目    

 

テーマ

多分野から考えるGood Life
~健康学習2.0~

コーディネーター

山口幹生(山口商店)

サブコーディネーター

淺田康平(みやびソフィア東生駒こども園)
佐藤義明(日本大学文理学部)
水越有香(慶應義塾大学看護医療学部)
杉山桃子(慶應義塾大学看護医療学部)

内容

「教育→労働→引退」という人生設計では、もう生活が成り立たない、仕事をし続けられない!となりつつある今、どのように日常を送ることが「Good Life」につながるのか。このテーマについて、多分野かつ多世代の皆さんと話し合い、気づきを得るセッションです。サブコーディネーターは、長年健康学習に深く関わってきた4名の方のご息女ご子息たちです。やはり、毎日の親子の会話が健康学習のようです(笑)お楽しみに!

レポート

「健康学習とは一体何なのか」「どのように活用することができるのか」この問いは、私が健康学習に関わってから15年間ほどずっと議論されてきた内容です。それぞれの時代において、健康に関する中心のテーマは特定保健指導から人生100年時代、そしてWell-beingと推移してきましたが、健康学習はいまだ多くの方を惹きつけ、また人生を豊かにする技法であり考え方であり続けています。

 

私たちのセッションでは、その健康学習の活用を保健医療従事者だけを対象とせず、より多分野での活用を考えることで、改めてお互い学びあい、より可能性を広げることを狙いました。

 

【セッション内容】

 

特に、「家庭」を対象に健康学習がどう活用されうるのかを考えました。私たちのセッションの副題であります ~健康学習2.0~ では、長年健康学習を深く学んでこられた方々の子ども4名をサブコーディネーターとして活躍いただきました。「父親または母親が健康学習を長年学んできた家庭は、親子のコミュニケーションが他の家庭とどのように異なり、またそれが親子それぞれに対してどのような影響を与えるのか」という内容を深掘りするために、それぞれの親子関係について深く掘り下げました。

セッションには、4名の子どものうち、2名の親にもご参加いただきました。それぞれの家庭について、あまり公開したくないであろう部分についてもご紹介いただき、とてもセッションの内容を深めることができました。

親子関係について、このセッションで出た学びの1つとして、「親は自分の子どもにあまり影響を与えていないと思っているが、子どもは親からとても大きな影響を受けていると実感している」ということでした。親子にそれぞれ質問をしました。子には「今の自分をつくってきた様々な影響のうち、親からの影響は何%を占めると思うか」とい質問をし、親には「自分の子は何%と答えると思うか」と尋ねました。子たちの答えは「50%~80%」だったのに対し、親からの答えは「10%~30%」という答えでした。セッションで紹介されたそれぞれの親子の事情をもとに分かったのは、「直接の会話というコミュニケーションが重要なわけではなく、日常の中の仕事の姿勢、夫婦間の言動、数はすくなくても親子で接したときに感じた親の存在感などによって影響を与える」ということでした。

親子のセッションがとても面白かったため、予定の時間配分を延長して親子の時間に長く時間を使うことにしました。残りの時間では、私の過去の経験も用いて多分野での適用方法についてもご紹介しました。主にビジネスの現場での活用方法でした。一般的には相手が知らないことを「伝える」ことに終始してしまいがちなビジネスの現場において、相手の本当の課題を引き出し、それについて答えを「与える」のではなく、相手の中にある考えを「引き出す」コミュニケーションは非常に有効だという事例を紹介しました。

 

【セッションの感想】

 

今回は、4人健康学習二世たちの登場により、とてもセッションが盛り上がりました。改めて長く健康学習に取り組んできた石川先生、および長年参加されてきた皆さんによって作られたことに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

またセッションの参加者のみなさまにも、サブコーディネーター初心者の二世達のコーディネートする時間を温かく見守っていただき、積極的に場を盛り上げていただきました。参加した4人の二世にとってもとても貴重な時間になりました。ありがとうございました。

健康学習に触れて15年ほど経ちますが、毎年学びがあります。毎年同じ学びを得ては、毎年忘れていくようにも思います。毎年新しい気持ちで参加できる健康学習に感謝です。これからも健康学習を長く続いていくものとして、楽しい会を、楽しい皆さんとともに!

 

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