セッション(1日目)
①健康学習ベーシック

セッション 1日目    2日目   

 

テーマ

健康学習ベーシック

コーディネーター

植村 瑠美(ヘルシーBox) 

サブコーディネーター

野村 悠(川崎市立多摩病院救急災害医療センター)
中山 進(南奈良総合医療センター)
大堺 浩子((株)日立ビルシステム)

内容

「健康学習って何?」「健康学習をもう一度おさらいしたい!」などなど、
健康学習初心者から熟練者までみんな集まれ!!
事例を通して健康学習の基本がわかります。更に、現場ですぐ役立つ方法もつかめます。
何度参加しても新しい気づきが得られる、そんな元気の出るセッションです。

レポート

 2015年の学会でも同じタイトルでセッションが行われましたが、昨年と少しだけメンバーチェンジをし、コーディネーターを変えて行いました。昨年と同様に健康学習の基本概念を「健康に対する発想の転換」「健康行動科学に基づくコミュニケーション技法」の2部に分けてお伝えしましたが、担当メンバーと参加する人が違うと新たな気づきや感動が生まれるのが健康学習のおもしろいところ。昨年、今年と両方参加してくれる人がいても満足していただけるようにセッションを組み立てました。
 「健康に対する発想の転換」では、◆元気と病気の二軸の関係、◆3つの論理、◆発想を拡大するためのアプローチ(POS、WOS、GOS)の3つを、私の祖母の出来事を例に挙げて解説しました。私の祖母は今年の正月に心停止、救急搬送されました。しかし!!主治医も驚くほどの回復力で、予定よりかなり短い期間の入院で自宅へ戻る事ができました。救急車で運ばれた時から徐々に回復し、自宅で過ごせるようになった「祖母」を健康学習の視点ではどう捉えるかを、普段は救急医として活躍されている野村先生に解説していただきました。グループワークを重ね、自分が感じた事や気づいた事をグループで共有し、健康を多軸・多面的に捉えることの重要性、「健康=病気がないこと」ではなく、相手の「豊かな人生」をゴールに支えることが大切であることに気づいていただけたと思います。
(ちなみに現在の祖母は…9月には88歳のお誕生日を無事に迎えました。お誕生日祝いにホテルランチを楽しみ、食後には生クリームのたっぷりのったココアを飲み、お土産のケーキを買って嬉しそうに帰りました!次は旅行に行けるかな??)。
 後半の「健康行動科学に基づくコミュニケーション技法」では、◆尋ね上手の6つのポイント、◆返し上手の4つの返し方を活用して、「相手(クライアント)の本音を引き出し、おさまりの良いところに返す」ということをお伝えしました。言葉で説明するよりまずは実演!ということで大堺さんに実演をしていただきました。石川雄一先生が研修会の時に行う「一般的面談」と「健康学習的面談」のあの実演です。「一般的面談」は『クライアントの話をしっかり聞いているし、何がダメなの?』という印象を受ける自然な面談でした。ただ「健康学習的面談」に切り替えたら…!!!百聞は一見に如かずとはこういうことかと思いました。健康学習初心者の方は、私たちが過去に受けた“あの”衝撃を、そして健康学習ベテランの方は2つを演じ分けられる大堺さんの姿に衝撃を受けたと思います。
 当日の内容は、参加者の皆さんの反応見て前後を入れ替えたり、時間配分を調整したり、サブコーディネーターの2人と相談しながら2時間がより良く、実りの多い時間になるよう構成しました。「健康学習の良さを伝えたい」という想いと目標が3人に共通しており、構成に行き詰まったとしてもこれらが共通しているために解決策が導きやすかったように感じました。コーディネーターとサブコーディネーターがセッションのへの想いと目標を共有し、同じ方向を向いていることがいかに大切であるかを改めて感じました。
 大御所から引き継いだこのセッション。コーディネーターを担当するにあたり健康学習を改めて学びなおしました。そのおかげで健康学習の新たな魅力に気づき、面談や講座でより活用できるようになったと感じました。参加者よりも、サブコーディネーターよりも、コーディネーターが一番楽しんだセッションかもしれません。これも優しく見守ってくださった事務局の皆さん、野村先生、大堺さん、そしてこのセッションを選んで参加してくださった皆さんのおかげです。ありがとうございました!
※昨年も好評いただいた「健康学習ベーシック」が作る「健康学習Tシャツ」。昨年はネイビー、今年はホワイト、来年は…??学会公認になるまで普及活動を継続します♪

 

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