セッション(1日目)
[1] 相談者を元気にするコミュニケーションの基本
~健康学習ベーシック~

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テーマ 相談者を元気にするコミュニケーションの基本
~健康学習ベーシック~
コーディネーター 横田 幸恵(博仁会共済病院)
ディレクター 野村 悠(川崎市立多摩病院救急災害医療センター)
サブコーディネーター 桐生 育恵(たーの会)
サブディレクター 植村 瑠美(健康支援BonAppetit)
内容 みんなの元気を引き出したい!支えたい!そのためには健康学習を基礎から学ぶことが一番の近道です。コミュニケーションに自信がある方もない方も一緒に学びましょう!みんなで学べばスキルアップ間違いなし!
レポート

「相談者を元気にするコミュニケーションの基本」という題目だった。参加者の多くが医療従事者や保健学科の学生で、相談におけるコミュニケーションについて理解を深め今後に活かしたいという意気込みを感じた。

健康学習では行動科学に基づくコミュニケーション技術も習得していくことが必要だが、その前提としての基本的な発想編についてお伝えしていった。コミュニケーションの基本である発想編を学び、実践してみることでそれぞれが新たな気付きを得るということが目標だった。参加者それぞれに仕事や生活背景があり、自分の中での学びを得てどう今後に活かしていくかはそれぞれに違うからである。

今回は一番実務経験に乏しいコーディネーターが先輩仲間三人に教えてもらいながらみんなと一緒に学んでいくという形式をとった。発想編は大きく分けて3つであり、
(1)元気と病気の二軸の関係
(2)3つの論理
(3)3つの思考パターン
である。

(1)では、保健指導で悩む3年目保健師の悩みを取り上げ、検査データの数字も大事だが、対象者を人間全体として捉えその方にとっての豊かな人生とは何か、その人にとってのベストなバランスは何かを一緒に考えていくことを説明した。

(2)では、コーディネーターの祖父の事例を用いて、医療従事者側の一方的な視点だけでなく本人、周囲の家族は本心でどう思っているかを伝えた。それぞれの立場が多面的に考え、わかり合い、話し合い、ベストな落としどころを見つけていくということを学んだ。また、病気患者位置関係の図も用いて、無関心期、関心期、準備期、実行期のどこに本人は今位置して、どういったアプローチを展開していくとよいかを学んだ。

(3)では、保健指導の事例で自分が過去に行った保健指導の内容を伝え、POS,WOS,GOSという発想を拡大するアプローチを用いたら、どういったアプローチが今後考えられるか、みんなならどうアプローチをするかを話し合っていただいた。

発想編をお伝えすると、今度はグループで実践をしていただいた。糖尿病の治療をする一人暮らしの30代男性の事例で、保健師ならどう指導するか、友人ならどう相談にのるかを考えてデモンストレーションした。健康学習の基礎である発想編を参考にしながらみんなで考えることができて大変よかったと思う。うまくできないという感覚を多くの人が覚えたようだった。それもそのはず、糖尿病だから正しい知識を教えて習慣にしてもらえばいいという話ではないからである。うまくできなかったという感覚こそが、本気で対象者の今後を考えている重要な姿勢である。そこに尋ね方、返し方の技術を加えていくことでコミュニケーションの仕方を成長させていくことができる。

(横田)今回はセッションの仲間や先生の指導、参加していただいた皆様に心から感謝申し上げます。「健康学習はそれぞれが自分の中に持っているものである」と以前教えていただいた言葉を思い出し、そのためのサポートという姿勢をセッション中失わずに取り組めたことは自分が少し成長できたところだと思います。本当にありがとうございました。

(桐生)セッションに携わらせていただき、コミュニケーションで自分は何を大切にしたいのか、改めて考え直す機会となりました。そして相談者を元気にすることも大事ですが、まずは自分が元気になることですね。ご参加いただきました皆様と貴重な機会をいただきました皆様に、感謝申し上げます。

(植村)参加者が健康学習の魅力を再認識し、実践したい気持ちが高まる、そんなセッションにしたいと毎年試行錯誤をしながら、「健康学習ベーシック」は5年目を迎えました。セッション準備のために健康学習と徹底的に向き合う時間を毎年持つことができることは、ベーシックを担当している醍醐味です。来年に向けて、突然のフリに対応できる力をつけていきたいと思います!

(野村)定食メニューとなった健康学習ベーシックですが、毎年新鮮な発見や気づきがあります!参加して下さった方から前向きな感想を頂くたびにやって良かったなと思っています。健康学習の根本とは何か、日々考えながら次回に向けた健康学習ベーシックを作っていきたいと思いますので、また来年お会いしましょう!


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