セッション(1日目)
①健康学習ベーシック

セッション 1日目     2日目   

 

テーマ

健康学習ベーシック

コーディネーター

野村悠(川崎市立多摩病院救急災害医療センター) 

サブコーディネーター

中山進(南奈良総合医療センター)
植村瑠美(健康支援BonAppetit/ヘルシーBox)
水崎和子(浜松医療センター)
神林優花(日立ビルシステム)

内容

健康学習デビューの人もベテランさんにもお勧めセッションです!【健康学習の基礎】をみなさんと噛みしめながら整理しましょう。職場に戻ってすぐ使いたくなる基本思考と技をお届けします。明日から使える自分の引き出し、増やしませんか?

レポート

3年連続での開催となった当セッションの今回のコンセプトは、『健康学習デビューの人もベテランさんにもお勧めのセッション。【健康学習の基礎】をみなさんと噛みしめながら整理でき、職場に戻ってすぐ使いたくなる基本思考と技をお届けする』とした。過去2回の健康学習ベーシックでは、健康学習の基本概念である(1)「健康に対する発想の転換」、(2)「相手の本音を引き出し、気づきを起こすコミュニケーション技術」を2本柱として展開していたが、今回は学会2日目に「健康学習アドバンス」が開催されたため(1)と(2)を分割し(1)だけを扱うこととなった。新たな取り組みとしてロールプレイの時間を増やすことができた。 セッションは[導入]→「本題」→「ロールプレイ」→「まとめ」という形で進行した。

 

[導入]

コーディネーター野村の進行で、参加者自身の健康学習との出会い、今回学会に参加するに至った経緯などの紹介を自己紹介も兼ねてグループワークで行った。

 

[本題]

①サブコーディネーター植村により、ある高齢者の近年の生活が紹介された。一時期心肺停止で生死をさまよったものの、完全に社会復帰し現在では旅行の予定が立てられるまでになったその高齢者の生き方を軸にして、「健康とは元気と病気の調和である、元気と病気の二軸の関係」について紹介した。②続いてサブコーディネーター水崎により、保健師同志での研修会や実際に行った糖尿病教室の経験について紹介された。「糖尿病=恐ろしい合併症」という発想が一般的な反応であったが、「糖尿病になって仲間が増えた、考えて食べるのでボケない、歩くので元気になった」など実は良いこともあると気づけた人がいた事実を踏まえ、「発想を拡大するためのアプローチ:POS、WOS、GOS」について紹介した。③最後に野村から、へき地診療所時代に経験した在宅症例を紹介した。生命維持には入院治療が望ましいと思われたが、自宅での最後の生活を希望されたため家族協力のもと退院し、1週間ほど後に自宅で看取られた患者の生き方(逝き方)をもとに、「多面的視野で物事をとらえる、3つの論理」について紹介した。

 

[ロールプレイ]

セッションの後半は、①元気と病気の二軸の関係、②POS、WOS、GOS、③3つの論理を利用して、参加者同士でのロールプレイを行った。まずは「高コレステロール血症を指摘された住民」に対して二人でお互いに保健指導を行いそれぞれ振り返った。次に自由テーマとして同じ相手と同様に行った。最後に席替えをして、相手を変えて自由テーマでロールプレイを行い、人それぞれで反応や捉え方が変化することを体験して頂いた。①~③の内容を知るだけでは会話が思うように進まないことも経験して頂いたため、最後に翌日のアドバンスと重複するが、コミュニケーション技術として「相手の思いを引き出す『尋ね方の6つのポイント』」「相手の気持ちを整理する『返し方の4つのパターン』」について簡単に紹介した。

 

[まとめ]

最後にあらためて、①元気と病気の二軸の関係、②POS、WOS、GOS、③3つの論理についてスライドで整理し、新たな引出しとして利用して欲しいことを伝えて終了した。 今後の課題として、参加者がロールプレイする前の具体的イメージ作りとしてコーディネーターのデモがみたい、保健医療福祉従事者以外の参加者にとってもロールプレイしやすいテーマを設定した方がよいのでは、といった指摘を受けた。 終了後も参加者同士の話が盛り上がりいつまでもセッションの余韻が残り続け、最後には参加者含め全員で写真撮影できるなど、コーディネーター3人にとって大変満足いく内容となった。 当日のセッションを一緒に作り上げて頂いたすべての参加者の皆さまに深謝いたします。ありがとうございました。

 

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